私はAIの資格を取ることにしました
10月18日、生成AIパスポートという試験を受けます。
看護師なのに、なぜAIなのか。理由はひとつで、これからも看護師で在り続けたいからです。
今の看護は、今のやり方でできています。でも5年後、10年後も同じかというと、正直まったく分かりません。
そして今、多くの看護師がAIを「ちょっと便利な相談相手」くらいに思っています。私も少し前まではそうでした。
ここが問題だと思っています。
看護師の仕事は、AIには代替されません
先に結論から書きます。
看護師の仕事の中心は、AIにもロボットにも代替されません。ケアだからです。
患者さんの手に触れる。体に触れる。そのとき私たちは、体温を感じています。筋肉のこわばりを感じています。今日はいつもより緊張しているな、と気づいています。
痛いと言わない人の顔色を見て、先に動く。声のトーンがいつもと違うことに気づく。体位を変えるときに、その人に合った力加減を選ぶ。
これは、その場に体があって、手が届く人にしかできません。
だから私は、看護師という仕事はこれからも需要が高いままだと考えています。
では、何が代替されるのか
考える時間です。
看護師は、看護問題を挙げて、看護目標を立てて、看護計画を作り、それに沿ってケアをします。
この「立てる」作業に、今までものすごく時間がかかっていました。
病態を整理して、関連図を書いて、生活背景と結びつけて、優先順位をつける。私は看護計画を立てるのがすごく苦手で、30分から1時間かかることもありました。
それが今は、数分でたたき台ができます。
誤解しないでほしいのは、AIが看護計画を決めてくれるわけではないということです。出てくるのは、あくまで候補です。
でも、たたき台があるのとないのとでは、まったく違います。ゼロから考えていた時間が、「この人の場合はどうか」を考える時間に置き換わるんです。
そこだけを考えるのが、これからの看護師の強みになるのかなと思っています。
実際に、こんなものを作ってみました
私は今、2つのツールを自分で作って使っています。


どちらも、必要な項目を入力すると、AIに貼り付けるための文章(プロンプト)ができあがる仕組みです。
なぜ作ったか——ひとつ目
看護問題、看護計画、看護目標を立てるのに苦労している看護師を、たくさん見てきました。
私自身もそうです。看護計画を立てるのが、本当に苦手でした。
「こういうツールがあったらいいのに」とはずっと思っていました。でも、なかった。
変わったのは、自分で作れると知ったときです。これは作ってみないと、と思いました。
なぜ作ったか——ふたつ目
ラダーレポートのツールは、別の理由で作りました。
私はレポートを書くのは、どちらかというと得意な方です。でも、書くのがものすごく苦手な看護師さんがいます。
その人の看護は、本当にいいんです。
誰よりも患者さんのそばにいます。そばにいて、その人が何を思っているのかを汲み取ろうとしている。しかもそれを、頑張ってやっているのではなくて、自然にやっている。
笑顔を絶やさない人でもあります。そして何より、患者さんの安楽と安全を、いつも第一に考えている。
私が尊敬している看護師さんです。
それなのに、レポートになると手が止まる。何時間もかかる。
書けないのは、看護ができていないからではありません。やったことは書けても、「なぜそう考えたのか」を言葉にするのが難しいからです。頭の中にはちゃんとあるのに、文章にならない。
その結果、休みの日がレポートで潰れる。あるいは、本来ケアに使えるはずの時間が削られる。
これが、私はどうしても納得できませんでした。
いい看護ができる人が、文章が苦手というだけで時間を奪われている。それはその人の問題ではなくて、仕組みの問題です。
だから作りました。
使ってみてどうだったか
数字で書きます。
- ラダーレポート:1時間 → 20分
- このツールを作った時間:約10分
10分で作ったものが、毎回20分ずつ返してくれる。しかも一度作れば、ずっと使えます。
「AIで業務効率化」と聞くと大げさに感じるかもしれませんが、私がやったのはこれだけです。
「便利な相談相手」で終わらせるのは、もったいない
今、看護師がAIをどう使っているか。だいたいこんな感じだと思います。
- 「この薬剤について教えて」
- 「この処置の手順を教えて」
私も最初はそうでした。
でも、よく考えてみてください。これって、今まで自分でもできていたことなんですよね。
添付文書を読む。マニュアルを開く。先輩に聞く。それが少し速くなっただけです。
便利ではあります。でもそれだけだと、「調べ物が速い人」で終わります。
使いこなすと、こうなります
同じAIに、こう聞いたらどうなるか。
高齢の患者さんで、◯◯と◯◯を内服中。腎機能が低下しています。この状態から予測されるリスクを挙げてください。
もう調べ物ではありません。自分の頭の中でやっていた「予測」を、一緒に走らせています。
しかも今は「エージェントAI」と呼ばれるものが出てきていて、ここからさらに進みます。
聞いたことに答えるだけでなく、今後起こり得ることや、経過の見通しまで一緒に整理してくれる。先の展開がイメージしやすくなります。
相談相手ではなく、秘書に近い。
自分の頭のマネジメントをしてくれる人が、常に横に一人いるような状態です。
そういう使い方が、もう今できます。ここに気づいていない人が、まだ多すぎると感じています。
なお、患者さんを特定できる情報(氏名、患者ID、部屋番号、日付など)は入力しないようにしています。それから、施設によって生成AIの利用規程は違います。使う前に、勤務先のルールを確認してください。
5年後、どんな看護師でいたいですか
5年後、私はAIを使いこなす人間でありたいと思っています。
でもそれは、AIを使って稼ぎたいということではありません。
AIを使って自分の時間をつくって、その時間を、ケアに充てたい。看護を必要としている人に、看護を届ける時間を確保したい。そのために使いこなしたいと思っています。
そして、これは私個人の話ではないとも思っています。
少子高齢化で、看護師のなり手も、働き手も減っていきます。それなのに、地域のケアニーズは高まる一方です。
この現状を回していくには、看護師自身の時間を確保するしかありません。
だからこそ、AIを使いこなして、時間をつくれるようになる必要があるのかなと考えています。
今のままの看護師でいますか。それとも、これからの時代にあった看護師になりますか。
私はまだ、勉強を始めたばかりです。10月に試験を受けて、そこからも学び続けるつもりです。
一緒に勉強しませんか。
